グラブターンとは、ターン中にエッジを掴む(グラブする)ことで、正しい姿勢を身につけられる、という練習方法です。
もう少し具体的に説明すると、
・バックサイドターン →右手でつま先側のエッジを掴む(グラブする)
・フロントサイドターン →左手でカカト側のエッジを掴む
これらの動作をすることにより、”低い姿勢と強い外傾姿勢が身につく”というものです。
私も練習していましたが、バックサイドに限っていえばグラブするだけであればそれほど実は難しくありません。
というのも、コツはたった一つ。
ターン中に膝を曲げて小さくなること。
初心者のうちは膝を曲げることに対して恐怖心が働き、棒立ちや内倒してしまう人がいますので、ターン中に低い姿勢を取れるようになることは上達の過程で大切だと思います。
ですが、低い姿勢だけを目指してしまうと、ある壁にぶち当たります。
バックサイドターンがキレない。
自分なりに原因を考えていたのですが、いくら滑っても原因がわからないままでしたので、このときに生まれて初めてのスノーボードスクールに行きました。
そのときにインストラクターの方に最初に言われたことは
「バックサイドで荷重姿勢を取るのが早すぎる。」
要するに低い姿勢を取るのが早すぎるということでした。この指摘は意外でした。
バックサイドでグラブターンが出来るようになっていたことから、バックサイドターンはむしろ得意だと思っていましたので。
むしろ、ズレの大きいフロントサイドを指摘されるものかと。
この時にバックサイドでの姿勢を教えていただきましたが、その時のポイントは、
・もっと股関節を曲げること。
・荷重姿勢を取る前にまず角付けをすること。
このときはイメージを修正するのに手間取りましたが、youtubeなどでデモンストレーターの滑りと自分のをよく見比べることで決定的な違いを発見しました。
デモンストレーターのバックサイトターンでは、
・膝はそれほど曲がっていない
・その代わりに体をくの字曲げるようなフォーム
これのフォームを身につけるために私が意識したポイントは一つ。
”バックサイドターンではむしろ膝を伸ばすこと”
少し極端な表現ですが、私の場合、グラブターンの練習の過程でとにかく膝を曲げるフォームを身につけていたので、膝を伸ばすくらいのイメージを持ったほうがフォーム修正が早いと考えたためです。ギャップを吸収するために最低限は曲げる必要はあると思います。イメージ的には、前足は135度くらい
↑今までのフォームのイメージ矯正前のフォーム(板に対して真横から見た図)
膝を多く曲げることで板を掴みにいっている
↓板に対して真横から見たときのフォームのイメージです
解説を加えると、
(上の図では手が板に届いていませんが、板を書く位置を間違えただけです。)
膝を曲げたバックサイドターンの何がいけないかというと、膝を曲げることで角付けが弱くなり、ズレやすいターンになってしまう、ということ。
膝を曲げるフォームでも10度くらいの斜度なら大丈夫かも知れませんが、15度くらいになるとスピードコントロールが難しく感じてくるのではないでしょうか。
一方、膝を伸ばすフォームだとつま先が上がり、角付けが強くなります。ただし、膝を伸ばすと今までより重心位置がエッジの外側(ターン内側)に外れてしまい、ターン内側に転びやすくなるので、股関節を曲げて(体をくの字にして)重心位置をヒールエッジの上に調整します=外傾姿勢(※)の獲得
※外傾姿勢・リーンアウト・アンギュレーションはスノーボードではすべて同じ意味として使われているように思います。
よく、「バックサイドターンの時はつま先を引き上げてね」というアドバイスがありますが、がっちりとしたブーツを履いた状態でつま先を引き上げる動作をしても効果は少ないと思います。(もちろん効果はありますが)
これよりも、角付けに効果が高いのは膝を伸ばす動作です。
ふくらはぎでハイバックを押す、という表現でもいいかもしれません。言いたいことは同じです。
もともとハイバックってバックサイドターンで板を立てるための部品ですもんね。
イメージで説明すると、膝をちょっとだけ曲げながら前屈をするような感じです。
また、グラブするタイミングも大切です。
もっとも股関節と膝が曲がりやすいタイミングである、
・荷重姿勢を取ったとき
のときに トゥエッジをタッチします。これはターン半ばから後半にかけてですね。
グラブターンの練習をするときは、グラブすることを目標にしてしまうと遠回りをすることになると思います。
この練習の目的は外傾姿勢と強い角付けの習得であり、グラブすることで格好をつけるためではないのだということを実感したのでした。
それでは、よいスノーボードライフを。