スノーボードブーツを買う前にちゃんと試着をしたのに、ゲレンデで足が痛くなってきた人向け。特に、足の甲と小指の付け根の辺りが痛くなってきた場合の対処方法について、痛みが劇的に改善した例を紹介します。
基本的にちゃんとブーツサイズを確かめ(試着して)てから使っている人向けです。あくまでも微調整です。
今回紹介する方法は後戻りが出来ないので、↓の記事の内容を試してからの方がいいと思います。
目次
潰すブーツのご紹介
私が使っているのはこちらのブーツ。
BURTON ION(アイオン)アジアンフィット 14-15モデル。
BURTONの人気ブーツIONのアジア人向け(幅広の足向け)のブーツです。
こいつのインナーを潰して足に合うように調整します。
同じ系統のブーツには有効な調整方法だと思われます。
ブーツを潰すに至った経緯と実践した効果
こちらのブーツは、スノーボードショップにてバートンのionアジアンフィットを1時間ほど試着させてもらい、フィット感などは納得して購入したものでした。
シーズンインして最初のころはionの硬いフィーリングを楽しんでいました。
5日目あたり。足の甲に違和感を覚える。夕方になると足の甲がじわじわと痛む。
8日目くらい。滑り始めて1時間ほどで痛みに耐えかねて休憩を取るようになる。
10日目。我慢の限界。ここで下記対処法を実践。痛みがほぼなくなる。
20日目。今度は小指側が痛くなってきた。
25日目で小指側の限界。再度、下記方法を実践。滑走に全く影響がない程度にまで改善。
私個人の意見ですが、徐々に痛みが出てきた場合は、履き続ければ馴染んできて痛みがなくなる、ということはないです 。
それでは次は、ブーツの潰し方を写真付きで解説します。
用意するもの
・クランプ
・油性マジック
・セロハンテープ
・適当な1cm角くらいのプラスチック片か木片。磁石なども手頃な大きさかも。
・覚悟
やりかた
1.アウターとインナーを分離させる。
最初の難関。すごく大変です。これ、外せるもんなの?という疑問が出てきますが大丈夫です。乾燥させるために外せるように作られています。
2.足の痛い部分にマーキングをする。
私の場合、足の甲の一番出っ張っている部分のすぐ内側でした。
あとは小指の付け根と小指の側面。 痛い場所は少し赤くなっています。写真では境界線の辺りをマーカーペンで囲っているので少し分かりにくいかも知れません。
もしも痛みが軽減していてどこが痛かったか分からなくなった場合、スキー場へ油性ペンを持って行きましょう。滑走中に痛みが出たらブーツを脱いで痛い場所にマーキングします。
3.インナーに足を入れ、マーキングの位置を確認
この状態でブーツを履いて位置を確認。
ブーツに手を入れ当たってそうな場所を探ってみると縫い目が見つかりました。
どうやらこれが痛みの原因です。
4.マーキングの位置をインナーに転写する。
小指の場合、マーキングしても見えないので、足を入れた状態でインナーの上から痛い場所を探し、インナーの外側にマーキングします。
↑の写真は一部潰した後のものです。2つのマーキングの間を潰す計画です。
5.プラスチック片をセロハンテープでクランプに貼り付ける。
クランプをそのまま使うと、潰さなくても良い部分まで広範囲に潰してしまいます。こうなると”足にフィットする”というインナーの機能を損なう可能性があります。
痛みの原因となっている部分だけピンポイントで潰すため、小さくて硬いものをクランプとインナーの間に挟みます。
私の場合は勤め先で手に入れたプラスチック片をカッターと紙やすりで加工して使用しました。
こういうのがなければ適当に挟むものを用意しましょう。
挟むものはなんでもいいんですが磁石なんかは良いかもしれません。探せば家に置いてあるでしょうし、大きさも丁度いいです。
可能であれば角が丸くなっているものがよいでしょう。
角が丸くなっているものであれば、潰した部分と潰していない部分の境界が曖昧になり(角ができない)、潰した後もフィット感を損ないにくいと思います。
6.マーキングした箇所をクランプで潰す。
クランプの位置をマーキングに合わせて最初は少しづつ締めていきます。
最後の方は、プラスチック片がずれないように注意しながらも全力でギリギリと締め上げていきます。
かなり強く締めます。
繊細さと大胆さが求められます。
プラスチック片は棒状のものを使いました。
7.この状態で48時間ほど放置。
48時間後、クランプを外すと、潰した部分が可哀想なほど凹んでいます。黒地と白地の境界(縫い目)ですね。
写真じゃ見えにくいかも。
小指も同じ考え方で潰します。するとさっきの写真の状態になるわけですね。
凹み方が少々いびつですが。
小指の方は範囲が広かったので5回くらいに分けて潰しました。
内側には1cm角くらいのプラスチック片を、外側には棒状のプラスチック片をクランプで挟み込みました。
潰した部分の防寒性能が減るかもしれませんが、スキー場で「以前より足が冷えるなあ」と感じることはありませんでしたね。
8.インナーをアウターに戻す(完成)
すごく入れにくいです。大変です。
こういうときはカカトの部分にコンビニの袋を噛ませると入れやすくなります。
↓コンビニ袋はもち手付いているので引き出すのが楽
ビニールの噛ませ具合ですが、カカトの中心部の直径1cm(一番体重がかかる部分)を覆うくらいがベストです。
被ってないとインナーを戻しにくいしし、被りすぎているとビニールを引き出しにくいです。
インナーを9割くらい入れられたら袋のもち手を引っ張って取り出します。
ここまで入れられたら、最後の一押しは簡単です。
インナーのカカトにシリコーンスプレーを吹きつけても入れやすくなるでしょうが、滑走中にインナーが動く可能性があるのでやるべきではないと考えます。
無事にインナーを入れられたらこれで完成です!ゲレンデでひゃっほうできます。
今回使用したクランプについて
・クランプの種類
シャコ万(シャコ万力)と呼ばれるものがいいでしょう。
材質ですが、板金タイプより鋳物タイプの方が強くておすすめです。板金タイプは比較的弱いので、締め上げていくとクランプ自身が曲がることがあります。
シャコ万はホームセンターで500円くらいで買えます。
・クランプのサイズについて
足の甲の痛み対策ならば100mmタイプで対処可能でした。
小指の痛み対策であれば200mmタイプを使うと良いとおもいます。私の場合は150mmタイプでギリギリ対処出来ましたが、ブーツのサイズによっては潰したいポイントに届かない可能性があります。
ただ、形状がちょっと残念で、小指のあたりを潰すのに使いにくかったので邪魔な部分をヤスリで削りました。所要時間40分。
この加工は 万力がないと難しいかな。万力加工のための万力。万力スパイラル。
グラインダーもあると作業性UP!
終わりに
今回の方法で足の甲と小指の痛みは劇的に改善しました。
完璧な仕上がりとまではいえませんが滑走には全く影響のない状態にできました。
1日快適です。
スノーボードにおいて重要なことの1つは、ジャストフィットしたブーツを選ぶことだと思います。
しかしこれは一方で、ブーツが少しでもへたれる→フィットしなくなる→足が痛くなるということになります。
かといって、緩めのブーツを選ぶことは厳禁です。なぜなら、緩めのブーツは怪我のリスクが上がりますし、上達の妨げになります。
怪我のリスクを少なくしつつ上達するということはスポーツを楽しむために重要なことです。
新調したブーツを数回使ったら足が痛くなってきた、じゃあブーツ買い換えるか!とはいきません。高いですから。
そんなときは、今回紹介した方法でジャストフィットするブーツに生まれ変わらせることができるかもしれません。
せっかく時間をかけて選んだブーツですから、長く上手に付き合っていきたいですよね。
もしも、この記事を読んでも自分でやるのはメンドイor難しそうと感じるのであれば、スノーボードプロショップに相談しましょう。
それでは、よいスノーボードライフを。